全部で4つある調査区のうち、2か所の表土剥ぎを行いました。
いよいよ本格的な発掘調査の始まりです。
全部で4つある調査区のうち、2か所の表土剥ぎを行いました。
いよいよ本格的な発掘調査の始まりです。
地上から地下約1mにわたって堆積する泥炭層を除去すると、昔の田んぼのアゼの一部が見えてきました。
また、ぬかるみを横切るようにこのアゼに向かって伸びる木道(もくどう)が見つかりました(写真左上)。
木道の部材には、田下駄や建築部材等を転用していました。
さらに泥炭層を除去していくと、小さなアゼも見つかり、昔の田んぼが大小のアゼにより区画されていた様子が明らかとなりました。
昔の田んぼの直上に堆積した泥炭層から、古墳時代前期の煮炊きに使った土器が出土しました。
この土器の年代から、田んぼは4世紀の前半に廃絶して、田んぼから湿地へと環境が変化したことが分かりました。
発掘調査も終盤となって、遺跡の初期の頃の様子も明らかとなってきました。
水田の下の分厚い砂層の下から縄文土器が出土しました。縄文土器は前期末(約5500年前)、中期初頭(約5000年前)、後期(約3000年前)のものが出土しています。
このことから縄文時代の人々が断続的に近隣に足を踏み入れていたことが分かりました。
東側の丘陵裾の調査区で、古墳時代の竪穴住居跡が3棟見つかりました。谷部で水田が営まれていた頃のものです。
竪穴住居跡は洪水の影響を受けにくい安定した地盤の地に建てられていました。
このことから、丘陵部に人が住み、谷部で水田農業を営んでいた当時の人々の暮らしぶりが窺えます。