平成25年度
金沢坂津口遺跡
 
2013年7月23日

7月3日にお知らせした田んぼの土を除去したところ、色々なものが出てきました。
落ち込みからは、農作業の際に履いていた田下駄や3m近くもある長い板などがみつかったほか、微高地からは弥生時代中ごろの土器がみつかっています。
 
中には20cm程度の小さな木の棒の一端が焼け焦げたものが集中してみつかるところもありました。
弥生人のキャンプファイアーのあとだったりして・・・。
2013年7月3日

6月5日にご紹介した地層のうち、真ん中にあった白く厚い砂を取り除いたところ、黒い土の帯が各調査区でみつかりました。この黒い土の帯は、田んぼのアゼ。5月にお知らせした鎌倉時代ごろの田んぼとは違ってアゼもまっすぐでなく、大きく曲がっています。
周辺を見渡してみると北西側にある山にほぼ平行していることから、鎌倉時代ごろのものとは違って周辺の地形に合わせて田んぼを作っていたことがよくわかります。
この田んぼは厚い砂に覆われていたこともあって、とても良い状態でみつかりました。
ラジコンヘリコプターを使って空中からの写真をパチリ!
 
2013年6月25日

6区では、弥生時代の終わりごろの田んぼのあと(写真右上)や溝や穴がみつかりました。溝の中からは、土器や木、石などがたくさんでてきましたが、なんとガラスの小さな玉もみつかりました。
いつのものかは、はっきりとはしませんが、昔はとても貴重なものだったガラス玉。落とした人もきっとがっかりしたことと思います。
 
2013年6月5日

写真は、今の地面から2m近く掘り下げた側溝の壁の様子です。色々な時代の地層が積み重なっている様子が見てとれます。白っぽい地層は洪水などで運ばれてきた砂、黒っぽい地層は昔の地面になっていた部分に当たります。
白い砂の下のほうに見えている黒い地層からは、弥生時代中ごろの土器が見つかっています。どんな発見があるのかとても楽しみです。
 


2013年5月20日

5月14日に紹介した4区で見つかった砂の帯の周りを掘り下げたところ、田んぼのアゼの形がきれいに出てきました。
幅50cm、高さ15cmほどの細めのアゼですが、直線的に田んぼを区画していた様子がよく分かります。
アゼの周りからは人の足跡がたくさん見つかりました。足の大きさは21pほど。ちょっと小さくて、ほっそりとしているので、女性の足跡かもしれませんね。
 

ぬかるみに足を取られながらも稲を育てようと頑張っていた当時の人々の様子が目に浮かびます。
 

2013年5月14日

調査区の真ん中にあたる4区(上の写真)と5区(下の写真)から、まっすぐにのびた砂の帯が見つかりました。これは昔の田んぼのアゼの跡と考えています。
このアゼは江戸時代よりも古いようですが、時期の決め手となる出土品が少ないため、いつのものなのかよく分かりません。

でもこのアゼの方向は、なんと今の田んぼとほぼ同じ!!
少なくとも数百年間似たような田園風景が広がっていたようなのです。


2013年4月25日

いよいよ発掘調査が始まりました!!
金沢坂津口遺跡は調査区が6つあります。このうちお盆頃までは西側の4か所(3区〜6区)を調査し、その後、東側の2ヶ所(1〜2区)の調査を行う予定です。

まずは、パワーショベルを使って最近まで使われていた田んぼの耕作土を取り除いていきます。
さてこの下にはどんな遺跡が眠っているのでしょうか?