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調査を終了した松原田中遺跡(4‐1区) |
2014年11月28日
調査の最終段階での深掘りを行い、下層に遺構が存在しないことを確認して、今年度の調査を終えました。
事故もなく、無事現場を終えることができてホッと一安心です。
調査を終了した現場はどこか寂しげに見えますが、そうも言ってはいられません。
これからは、多量に出土した遺物の整理に大わらわしそうです。
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2014年10月10日
爽やかな春風に吹かれてはじまった2区の現地調査が、心地よい秋風のなか終了しました。
その間には酷暑の候もありましたが、今では良い思い出?です。
2区では、西に隣接する昨年度調査した1区の調査成果を検証しつつ、複数の遺構面を調査しました。
検出遺構は掘立柱建物、溝、土坑など約1000、出土遺物はガラス玉、土器、木器など80コンテナ分でした。
調査最終段階の第7面で、予想外に多い約500もの遺構が見つかり、記録に遺漏があってはならず、調査期限が迫るので、おおわらわでした。
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さて、その第7面の調査において2区では唯一の井戸を検出しました。
残念ながら、鋼矢板によって分断されていたため半分しか調査できませんでしたし、当時の地上にあったであろう井桁も失われていました。
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しかしっ! 井戸枠内部を慎重に掘り進めると、丸太を刳り抜いて作った井戸枠の内側では色々なものが層をなして埋まっていることがわかりました。
上層から順に写真を並べると、まずは、火起しの道具である火鑽板(火鑽臼(ひきりうす))などの木製品が姿を現しました。
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次に、木製品の下には、ヒトの拳から頭ぐらいの大きさの石が埋まっていました。
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お待ちかねの土器も出土しました。つぶれてはいますが、古墳時代前期(約1,700年前)の甕です。
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ここまでの3枚(木製品、大きめの石、土器)は、井戸としての機能を失った後に意識的に捨てられたものでしょう。
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水を汲みに来た古墳時代のおじさんが、この状態を見て愕然としているところ。 |
さて、現代の我々はさらに井戸を掘り進めました。
すると、土器の下には、ウズラやニワトリの卵くらいの大きさの石が詰まっており、そのさらに下にはきれいな砂が層を成していました。
この部分は、井戸が水を湛(たた)えていた時の濾過層(ろかそう)でしょう。
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そして、井戸の底(水溜(みずため)といいます)に到達しました。今でもじんわり水が湧いてきます。
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きれいな水がこんこんと湧く井戸では、古墳時代の娘さんが笑顔で水を汲んでいたことでしょう。
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写真は裏返しの状態です。 |
2014年9月18日
またまた良好な状態の木製品が出土しました。
「大足」という田下駄の一種で、ほぼ完全な形で出土しました。
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2014年9月17日
沢山の流木や建築材に混じって、臼(うす)が縦に半分に割れた状態で出土しました。
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先日杵が見つかっているので、セットができました。 |
かなり脆い状態なので、今後保存処理をする予定です。 |
2014年9月5日
4−1区の流路で新たな発見です。
カゴ?の一部がみつかりました。
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杵(きね)が良好な状態で出土しました。
残念ながら、細い箇所(握る部分)で割れています が、ほぼ完全な形で残っていました。
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2014年8月27日
4−1区では、本日からいよいよ南北に延びる大きな流路の掘削が始まりました。
流路は調査区西側に拡がっており、幅は20m以上になります。
深さは1m以上あり、まだ底が確認できていません。
このように、スコップを使って掘っています。
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かなりの肉体労働です。 |
遺物が良好な状態で出土したら、図面や写真をとるために、全体の様子がわかるようにきれいにします。
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細かい作業です。 |
多くの建築材に混じって田下駄など農具も見つかりました。
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弥生時代から古墳時代前期の土器がほぼ完全な状態でまとまって出土しました。
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2区第5面の全景 |
2014年7月2日
2区第5面(古墳時代)と4−1区第1面(中世)の全景写真を撮影しました。
ラジコンヘリコプターを使用しての撮影です。
2区では、掘立建物跡、土坑や小穴などがたくさん見つかりました。
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4−1区第1面の全景 |
4−1区では、調査区西側から江戸時代の水田のアゼの跡が見つかりました。
真上からみると、遺構の様子がよくわかります。
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調査区(2区・4−1区)から湖山池を望む(南西から) |
翌日の天気が雨の予報だったため、予定を早めて急きょ、2日の夕方に撮影したのですが、きれいに写すことができました。
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2014年5月29日
2区は2回目の全景写真の撮影です。この面からは古墳時代から中世の穴が見つかりました。
調査を一通り終えると、再び掘り下げを行い、下層の調査を行うことを繰り返します。
あと2〜3面はありそうです。
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2区第4面の全景(北東から) |
2区古墳時代前期の穴の掘り下げの様子 |
2014年5月27日
2区で古墳時代前期(約1,700年前)の穴が見つかりました。
炭などに混じって破片となった土器が多数見つかりました。
古墳時代の人々にとってみれば、ゴミとして捨てたものかもしれませんが、現代の私たちにはとっては、当時のことを知るうえで貴重な「宝の山」といえます。
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2014年4月22日
2区の第1面の全景写真を撮りました。
調査区一面に、耕作のために掘削された溝が多数見つかりました。
溝の方向は、現代の地割のように、東西方向に規則正しく並んでいることから、江戸時代以降の比較的新しい時期のものとみられます。
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2区第1面の全景(北西から) |
調査予定地(東から) |
2014年4月9日
いよいよ今年度の現地調査を開始しました。
最初は重機で現代の耕作土を除去して、その後はすべて人力にて慎重に掘り下げていきます。
今年の調査区は昨年度調査した1区の東側にあたり、そこで見つかった弥生時代〜古墳時代の掘立柱建物群の続きが見つかるものと期待されます。
詳細はいずれまた、お楽しみに。
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