土は、下から上にたまっていくので、下の方が古く、上の方にいくほど新しくなります。
同じように、出土する土器も下の方からみつかったものが古く、上の方からみつかったものが新しいことになります。こうしてそれぞれの土から出土した土器の形や作り方の変化を「時代のものさし」として、遺跡の年代を知ることができます。

 土器の形や模様、作り方を細かく見ていくと、時代ごとにその特徴が変化していることが分かります。変化の方向性や傾向を考えて、古い方から順に並べていく作業を専門的な言葉で「編年」と呼びます。

 「それぞれの時代に作られた土器」が変化するようすは、新幹線の形を例にとるとよくわかります。
 東京オリンピックの開催された1964年に、初めて登場した新幹線「0系」(かつての「ひかり」や「こだま」)は、先端が丸いデザインでした。その後、速度を上げるため風の抵抗を受けない流線形を追及してきた結果、現在では「N700S系」(のぞみ)のように鼻が長くのっぺりとしたデザインへと変わっています。

 私たちが「これは○○年前の遺跡だ」と皆さんにお伝えできるのは、出土する土器の特徴を見て、時代を決めているからなんです。

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