古墳時代の溝


出土した遺物
2019年8月27日

 平ノ前遺跡では、川の跡が見つかったA1区盛土部から100mほど北に位置する場所(P3区)の調査も行いました。

 ここでは、幅約80pの溝が見つかりました。この溝と同じような溝は、A1区盛土部とP3区から北に約20m離れたP4区(平成29年度調査)でも見つかっています。

 いずれも人為的に掘られた古墳時代の溝で、直線的につながっていたと想定され、一連のものとすれば長さは150m以上あることになります。

 その性格ははっきりしませんが、天神野台地の丘陵裾部に掘られた用水路のような機能を果たしていた可能性もあります。




 平ノ前遺跡の調査は、8月27日をもって無事終了しました。

 現地説明会は開催しませんでしたが、今後、開催を予定している小鴨道祖神遺跡での現地説明会やHPなどを通じて、その後の調査成果を随時お知らせしたいと考えています。
   
   
 2019年7月17日

 平ノ前遺跡A1区盛土部において、川の跡がみつかりました。

 
        川の跡を掘り下げています

 幅は約30mあり、縄文時代から鎌倉時代の遺物が数多く出土しています。


 特に注目されるのは古代の瓦や土器で、遺跡の約300m南側に位置する奈良時代の寺院跡で、塔跡が県の史跡に指定されている石塚廃寺との関係が考えられます。


石の斧


瓦と須恵器の破片
   
   

 
排水のための溝を掘っています
2019年6月6日

 平ノ前遺跡の発掘調査に着手しました。

 まずは土を運ぶベルトコンベアーの配置や排水のための溝の掘削など、調査の為の環境を整えるところから始めます。

 スタートから真夏日となり、今年も夏の暑さが心配されますが、暑さに負けない「熱い」調査を目指して取り組んで行きたいと思います! 
   
   
2019年5月7日

 現在、平ノ前遺跡(ひらのまえいせき)の調査準備を進めています。

 平ノ前遺跡は倉吉市上古川の天神野台地(通称)の東側裾部に所在します。
 当財団では平成29年度にも平ノ前遺跡P4区とA1区の調査を行っており、P4区の調査では、古墳時代前期の区画とみられる溝1条や鎌倉時代の掘立柱建物2棟がみつかりました。

 平ノ前遺跡の北東約430mには平安時代から鎌倉時代の集落遺跡である山ノ下遺跡(平成28・30年度調査)があり、両遺跡の関連も注目されます。

 A1区では自然河川がみつかりました。河川に堆積していた土からは縄文土器などが出土したほか、古代以降のものとみられる偶蹄目(ウシか)の足跡を検出しました。
 川の岸辺を当時の人に連れられ、ウシが散歩していたのでしょうか・・・。

 今年度はこのA1区の隣接地であるA1区盛土部の調査を行います。新たな発見や調査の様子を随時お知らせしていきますので、どうぞお楽しみに!




 


平ノ前遺跡周辺の地形



平成29年度調査
平ノ前遺跡P4区完掘状況


平成29年度調査
平ノ前遺跡A1区出土土器

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