良田平田遺跡 「古代因幡国の地名・人名が記された木簡(歴名)」

 平成23年度の良田平田遺跡の発掘調査で、平安時代前半(約1100年前)の掘立柱建物の柱穴から古代因幡国の地名・人名が記された木簡(もっかん)が出土しました。
 
 この木簡は「歴名(れきみょう・れきめい)木簡」と呼ばれる帳簿のようなもので、当時の国〔因幡国〕・郡〔高草郡(たかくさぐん):旧鳥取市の千代川左岸一帯〕・郷〔刑部(おさかべ)郷〕と、戸籍主の姓名〔刑部(おさかべ)〕、同じ戸籍と考えられる4人の姓名〔孔王部(あなほべ)・・・〕、さらに年齢もしくは物品の数量を表した数字が確認できました。
 
 因幡国に“刑部(おさかべ)” 姓をもつ人物がいたことは平安時代の記録にありますが、“孔王部(あなほべ)” 姓をもつ人物の存在は初めてわかり、新しい発見となりました。
 また、これまでの研究では、良田地域が高草郡にあった8つの「郷」のうちどの郷に属していたのかは不明でした。この木簡によって、良田地域が「刑部郷」に属していた可能性があり、郷の範囲や境界を明らかにしていく上で貴重な発見となりました。

 なお、今回記者発表した木簡をはじめとする良田平田遺跡の出土品は、鳥取県立博物館「歴史の窓」で2月28日から4月1日まで展示します。
 
 歴名木簡の実物展示は、遺物保護の関係上、3月4日(日)までの6日間となります。

 ※3月21日(水)・26日(月)は休館日です。
 
 なお、事前に記者発表を行いました。
 その資料はこちら→ 記者発表資料1(PDF1,546KB)・記者発表資料2(PDF1,647KB)
 
 鳥取県立博物館の案内→ 鳥取県立博物館ホームページへ
 
発掘された「歴名木簡」