当財団が調査を行った松原小奥遺跡では、江戸時代のお墓から茶碗や皿、甕などの焼き物が見つかりました。その多くは日用品として使われていたものですが、大きな甕(かめ)を棺桶に使ったお墓もありました。
焼き物の産地を調べてみると、皿は佐賀県の唐津や愛知県の瀬戸、すり鉢は備前(岡山県)、甕は愛知県の常滑や越前(福井県)など、国内各地のほか、遠く中国大陸から輸入されたものまでありました。

 遺跡でみつかる遺物の中で、最も多いのが、土器や陶器などの焼き物です。これらの中には、時々、よその地域から運ばれてきたとみられるものが含まれており、当時の流通や地域間の交流を考える上で大きな手がかりを与えてくれます。

 特に、鎌倉時代(約800年前)以降になると、現在でも知られる有名な生産地が成立し、陶器や磁器の交易が盛んになりました。
 鳥取県の遺跡でも、他の地域で作られた陶器などがたくさんみつかっています。いまと同じように陶器市なども開かれていたのかもしれません。

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