遺跡の報告書は、「発掘の目的」と密接な関係を持っています。
私たちが行っている発掘調査は、道路や建物などの開発で失われる遺跡を調べ、その記録を未来に伝えることを目的としています。
これを遺跡の「記録保存」といいます。
遺跡から発見されたさまざまな成果や情報は、膨大な量の写真や図面に記録されます。それらをみやすくまとめ、調査の方法や内容、遺跡の特徴を報告する文章を掲載したものが「発掘調査報告書」なのです。
開発によって、残念ながら失われてしまう遺跡は、発掘でみつかった遺物とともに、写真や図面の記録、報告書という「本」に姿を変えて未来に保存されるのです。