土器や陶器といった焼き物、石器、木器に鉄器などの道具。遺跡を掘ると昔の人たちが使っていたいろいろなものが出土します。ですが、昔のものがすべて土の中に残っているわけではありません。
木が腐ってしまう原因の一つが土の中の微生物。 水気が多くて空気が少ない環境だと微生物が活動できないので、木が腐りにくくなります。

 遺跡を掘っていて一番多く出てくるのは土器。それに比べて木器や鉄器が出てくる量はあまり多くありません。昔の人も土器だけでなく木や鉄の道具を使っていたはずなのに、どうしてこんなに差が出るのでしょうか?

 一番大きな理由は「腐ってしまう」から。土に埋まっても腐らない土器や石器と違い、木器や鉄器は土の中で腐ったり錆びたりして失われてしまいます。これらの遺物が残るには腐りにくい環境が必要です。
 本高弓ノ木遺跡からはたくさんの木器が出ていますが、これは水気の多い土に包まれて木が腐りにくかったためなんです。

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