遺跡でお墓を調査していると、ガイコツがそろりそろりと姿を現すことがあります。仰向けに寝ているものや座っているものなど、お墓の主がどのような姿勢で葬られたかを知ることは、当時の宗教や慣習などを知る手がかりになるのです。

 発掘調査で出土した人骨は、調査事務所に持ち帰った後、さらに詳しく調べます。体のどの部分の骨なのか、年齢や性別、けがや病気の痕(あと)などを詳しく調査していきます。
 頭から足の先まで、200ほどある骨のうち、男女で大きく違う骨が骨盤です。とくに女性では出産溝という傷をもつものがあって、この傷があればその女性が出産をしたことの証になります。
 一方、年齢をみるときにわかりやすいのが歯。やはり年をとるにつれ、歯はすり減っていきますし、乳歯があれば子どもと判断できます。
 このほか骨が変形するような病気(結核や貧血など)から、その人の健康状態がわかりますし、骨折が治った痕がある骨もあります。なかには鋭利な刃物で傷つけられた骨がみつかる場合があり、それが死因である可能性も考えられます。

 自分の体の中にあるとわかっていても、普段見ることができない骨。どんな形をしているのか、お化け屋敷のガイコツを一度じっくり見てみてはいかがでしょうか?

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